水曜日, 3月 25, 2009

追憶 3


酸素室でピーは穏やかな呼吸で新年を迎え過ごしていた。朝昼晩、食べそうな食事を持っていって話しかけながら口元に差し出すけれど段々食が細くなり顔をそむけたり反応がなかったりの経過中、ついに7日(水)の夕、先生から「何時逝ってもおかしくない状態だ」と言われ、とっさに残り少ない命の灯火を承知していた私は「家で看取りたい」と言ってしまった。それに対し先生から「人間ならば内視鏡などで診断も的確に出来治療もより適切にできるけれど、獣医師分野では出来ないことが多く、この子にとって本当に申し訳ない。命の尊厳を最後まで大事にしたい。どうか治療を続けさせてください。」旨のお言葉を頂き、真摯な姿勢に胸打たれて「よろしくお願いします」と頭が下がった。でも、父と家と最後のお別れを、自分のエゴとは感じつつも、ピーとしたかったので、一時でも連れて帰ることをお願いした。先生は真剣に方策を講じてくださり酸素マスクをつけての帰宅がかなった。翌日からその瞬間が在るようなないような、そして11日には遠方から面会に来たりして家族が現実を受け止めていた。毎日の食事面接が続き食べないことも増えてきて、少しでも食べてくれると良かったねと一喜一憂の静かな時が過ぎて日を重ねていった。先生方の相変わらない温かな対応に私の心は申し訳ないような動揺があったり、父が食べれなくなって点滴も入らなくなって亡くなったあの姿がピーの今の姿と重なり胸が痛み雑念が出てきたり、でも先生はぶれることがなかった。

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

ピーちゃんの追憶記、読ませていただいております。心が痛みます。でも、それまでしていただいたピーちゃんは感謝の気持ち、愛された思いをたくさん持って旅立っていったのでしょう。

私もここ30年の間に2匹の犬2匹の猫ちゃんを見送りました。寿命だったり、病気だったりして手を尽くして最後に旅立ちました。
最近は20年連れ添った(?)雌猫を2年前に見送りました。
覚悟をしていたので、ペットロスはないだろうと思っていましたが、夢に出てきたり、夢か現か判断に迷う状態で(自分は目覚めていると思っているが家人は誰も目にしていない)私の目の前に現れるのです。柔らかな感触やぬくもりを感じることがあることを、主治医に話しました。やはりペットロスらしいです。
soraさんも悲しみから早く立ち直ってください。

Unknown さんのコメント...

Hanonさん
お心のこもったコメントを頂き有り難うがざいました。ご自身の深い愛情と20年もの超長寿猫ちゃんを見送られてのご心痛が人の心を思いやるお気持ちとなって、心配と励ましのお言葉を頂いたものと思います。Hanonさんの優しさに感激です。私は大丈夫ですのでご安心ください。最終回の愛情思いやりが心を癒し優しくし豊にし・・・を強く感じた出来事でしたのでブログに載せました。前段の事柄が長すぎました。でも書くことで、見ていただいたことで心が落ち着いています。
20歳も生きた猫ちゃんのこと聞かせて欲しいです。柔らかな感触やぬくもりを今なお感じられるなんてすごいです。